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豊かな生活

バロックとはどういう意味?ルネサンスとの違いも解説

この記事は

・バロック芸術の特徴を知りたい人

・美術館などを楽しみたい人

・歴史を勉強したい方

には参考になると思います。

こんにちは。

皆さんはバロックという言葉を聞いたことがありますか?

バロックの意味は芸術用語や歴史用語などなんとなくイメージできるかと思いますが、具体的な意味がいまいちわからないという方も多いと思います。

なのでこの記事ではバロックの意味やバロック美術の特徴、そしてそれらが栄えた社会的背景について解説していきます。

この記事を読み終える頃には、美術史や世界史の教養が一段階上がると思いますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。



バロックとはどんなもの?

バロックとは17世紀-18世紀に栄えた美術や建築の様式のこと。

様式というのは作風やジャンルのようなものと捉えてもらえればOKです。

バロックという言葉はポルトガル語で歪んだ真珠を表します。

歪んだ真珠のイメージの通り、バロックの美術や建築は荘厳で装飾的、躍動感のあるヴィジュアルが特徴です。

詳細は後半に解説します。

ではなぜこのような壮大な芸術が根付いていったのでしょうか。

バロックの栄えた背景

2.1 バロックの栄えた時代

先述の通り、バロック文化は1600年前後にイタリアのローマやフィレンツェで始まり、徐々にフランスやイギリスにも広がっていきました。

それ以前のヨーロッパではルネサンスと呼ばれる美術様式が盛んでした。

ルネサンスは古代の生活や芸術を参考・模倣して出来上がった様式です。

ルネサンスとは何かをわかりやすく解説。これ読めば芸術が面白くなります この記事は ・芸術・文化について詳しくなりたい人 ・美術館などを楽しみたい人 ・教養を沢山身に着けたい人 ...

ルネサンス美術や建築は非常にカチッとしたヴィジュアルをしており、余計な装飾などはなく、一般市民の生活に馴染むものでした。

ルネサンス建築を例にあげると、その特徴の一つとして左右対称の外観があげられます。

絵画であればモナリザに代表されるように、目に写るものをきちんと捉え、遠近法を用いて正しく描写していくことが一般的でした。

ですがルネサンスも後期に入るとそのカチッとしたヴィジュアルが徐々に崩されていきます。

その結果、作品には作者による意図的な操作や過度の強調が施されていきます。

中期までのルネサンスのように模範例にならって正しく作品を作るのではなく、作者が自分なりの解釈を施すという考え方もできるでしょう。

そのような後期ルネサンスの芸術はマニエリスムと呼ばれます。

このマニエリスムの作風に、宗教改革や絶対王政の確立といった当時の社会背景が密接に絡み合いバロック芸術は発展していきます。

より人の感情に訴えかける表現やわかりやすさが増していくのです。

なぜそのような社会背景が影響を及ぼしたのか?

それはバロックの豪華爛漫な作風が、当時の権力者たちの力を示すのに使われたからでした。

2.2 バロックと宗教改革

先述の通りバロックの壮大な作品たちは、権力者たちの力の誇示に使われました。

その権力者というのが当時のキリスト教会です。

正確にはカトリック教会のローマ法王を指します。

そしてカトリック教会がバロック芸術を用いて、自身の力を示そうというきっかけを作った出来事が宗教改革になります。

当時のカトリック教会はサン・ピエトロ大聖堂の改修工事の資金を集めるために、免罪符と呼ばれるものをキリスト教徒たちに売り捌いていました。

免罪符を買うと罪の許しを得ることができるという目的で売られていたのですが、聖書にそのような記載はなく、いわばお金を得るために適当な売り文句をつけていただけでした。

これはいわば信者たちを騙しているようなものです。

これに対して批判的な人たちがカトリックの対抗馬であるプロテスタントを立ち上げた一連の出来事が宗教改革です。

もともと腐敗したとの噂が広がっていたカトリックの立場は、これを機にさらに下落することになるのです。

そこでカトリックは美術の力に頼ることになるのです。

当時は字が読めない人たちが多かったので、聖書をテーマに描かれた宗教絵画をより躍動感のある表現で描くことにより、信仰心を植え付けようとしたのです。

バロック美術やバロック建築の崇高さやわかりやすさというものは、キリスト教徒の心に宗教的な教えを刷り込むための意図があったといえます。

2.3 絶対王政の確立

16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパは絶対王政の時代といえます。

各国の君主は強大な権力をもち、特にイギリスとフランスは中央集権化を推し進めていました。

バロック芸術はその強大な権力を誇示する役割を担います。

バロック建築には多くの建築家や美術工芸職人が関わり、建築の中に豪華絢爛絵画や彫刻や庭園から音楽までが統合されました。

その中でも太陽王と呼ばれたフランスのルイ14世の時代に、バロック文化は最盛期を迎えたといえます。

バロック美術の特徴

バロック絵画や彫刻の特徴は鮮やかで躍動感のある表現です。

ルネサンス期よりも光と影を効果的に描写しており、人物の感情があふれ出ているような表現が多くなります。

カトリック教会の関わりから、題材も旧約聖書などのキリスト教をモチーフにしたものが多いです。

反対に風景画や風俗などが増えてくるのもバロック絵画の特徴です。

それは偶像崇拝の禁止が関係しています。

偶像崇拝とは絵画や彫刻などに描かれた神を、信仰の対象として崇拝すること。

プロテスタントは偶像崇拝を強く禁じる宗教であり、十字架への祈りでさえ偶像崇拝とするほどでした。

なのでプロテスタントの国であるオランダでは、宗教画ではなく日常を題材とした風景画や風俗画が登場するわけです。

バロック建築の特徴

バロック建築は荘厳なヴィジュアルが特徴で、権力を誇示するかのように外観の豪華さは凄まじいものがあります。

かの有名なヴェルサイユ宮殿はバロック建築の代表作です。

先述のサン・ピエトロ大聖堂もローマバロック建築の作品ですね。

室内にはバロック式の彫刻や壁画などが取り入れられ、多くの人が制作に関わりました。

まとめ ルネサンスとバロックの違い

バロックの特徴を簡潔に述べると、権力者たちがパトロン(芸術家達の支援者)となり、教養なき市民の心に訴えかけるようなわかりやすい崇高さが表現されたものといえます。

表現の幅はより自由になり、ドラマチックに誇張されたものが多くなります。

有力商人たちがパトロンとなり、市民社会に馴染むような静的な建築や、リアルな人間の視点を正確に再現した絵画が多くあるルネサンス芸術とは異なる特徴が見てとれます。

 

いかがだったでしょうか。

この記事が皆さんの役に立てれば嬉しく思います。